忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

あの日の蝶はもういない

緑の木々が作る

木漏れ日の中

私はその日も

池のほとりを歩いていた。

池の水面は太陽の光を反射して

キラキラと波打っており

時よりそよ風が水に浸かった木の枝を

大きくゆさゆさと揺らしていた。


私はいつものコースを歩き

池の半分に差し掛かった時

池の上にある白い羽片に気がついた。

白い蝶がひらひらと舞っていたのだった。

しかし、ある一定の高さまで羽ばたくと

ストンとまた水面に堕ちていく。


ヒュヒュヒュストン


ヒュヒュストン


ヒュストン


ヒュヒュストン


ヒュヒュヒュストン


何度繰り返したことだろう。

私はその蝶に釘付けとなり

幾人もの散歩人から追い抜かれても

ずっとその蝶を見守っていた。


ヒュヒュヒュストン


ヒュヒュストン


ヒュストン


ヒュヒュヒュストン


こんな不思議な光景はじめてだった。


水を飲んでいるのか

水浴びをしているのか

涼んでいるのか

そのような品種なのか

もがき苦しんでいるのか


私はあらゆる可能性を考えたまま

ぼんやりとその光景を

ずっと見守りながら

少しづつ移動し

そろそろその場所から

立ち去ろうとしたその時


ヒュヒュヒュストン


........



いよいよ蝶は羽を真横に浸し

二度と舞い上がる事はなかった。

私はキュっと胸が苦しくなり

蝶が波で漂っているのを見つめ

そして目を瞑ると

足早にその場を立ち去った。



儚い命が失われた瞬間が本当に

悲しく、切なかったのだ。



麗らかで温かい日差しの中

散歩する度に

その光景がまた見られないだろうか、と

水面を彷徨うように目で探してみる。

しかし、どこにも見当たらない。

そして、気づくのだ。



あの日の蝶はもういない



と。








la leo litende leo
akieem zawadi
PR
Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

 

Profile

HN:
Akieem Zawadi
性別:
非公開
職業:
ARTIST
趣味:
散歩 ・小説書・ 涙を流すこと
自己紹介:

海外のファンが多く、色彩感覚と切り取る目線がその人気の鍵。

日々の考えや恋愛、食べ物、読み物、音楽、アートとあらゆることに関してエッセー調に書き綴っている。

夢は、世界中の夕日と朝日を愛する+1と見に行くこと。世界中のあらゆる食べ物を食べ歩くこと。

 

Calendar

10 2017/11 12
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

 

Counter

 

Bar-code

 

Blog Search

 

ANALYZE